戦略的アジリティ@スケール

戦略的なAgility at Scaleとは、アジャイルやリーンの戦略を、組織全体に横断的に適用するケースに言及している。ITの視点からすると、これは、ITデリバリーチームの、全てではないにしても、ほとんどの活動を包含し、IT部門がサポートする各種の活動 – エンタープライズアーキテクチャ、運用、サポート(ITヘルプデスク)、ポートフォリオマネージメント、ITガバナンス、その他のトピックにも言及している。企業活動の視点から見ると、これは組織のすべての部署とチームを含んでいる(あなたの所属するIT部門だけが対象では無く)。

以下に挙げるには、アジャイルをスケーリングする際に考慮すべき4つの組織レベルだ:

  1. 個人(戦術/戦略的)  あなたは、アジャイルの専門家として、アジャイル/リーンの原則を理解し、日々の作業の中でそれに従う必要がある。言い換えると、あなたは”アジャイルである(be agile)”必要がある。しかし、アジャイルである、だけでは十分ではない、以下に述べるようなアジャイルの戦略やプラクティスを”実践する(do agile)”必要がある。効果的に行うためには、これらの戦略やプラクティスをどうやって一緒に組み合わせて使うか、いつ適用するか(あるいはしないか)を理解する必要がある。
  2. チーム(戦術/戦略的) チームは、直面する問題に自力で対処できるだけのスキルを持ったメンバーで構成されるよう、”完結(whole)”している必要がある。直面しているスケーリングファクターを反映して編成され作業するべきだ。特にITデリバリーチームにも同様なことが当てはまる。
  3. IT部門(戦略的) IT部門には、異なる状況に直面しているデリバリーチームが複数あるだろう。それはすなわち、DAフレームワークに異なるテーラーリングすることになることを意味する。IT戦略は、このようなデリバリーが可能であるほど十分な柔軟性がなければならないことを示唆している。
  4. 組織/エンタープライズ(戦略的) 組織全体がアジャイル/リーンの作法 - 戦略全体を動的に最適化する - で作業するすべきだ。

図1:アジャイルとリーンをIT部門にスケールする。

agility-at-scale

アジャイル/リーンIT部門は、”常にライトをつけて(keeping the lights on)”、企業の他の部門・人々のニーズに反応しなければならない。図2に見られるような、3つのカテゴリーに分類された活動を継続することで、アジャイル/リーンIT部門はこれを実現する。各々ノカテゴリーは、複数のプロセスブレードから成り、組織の活動と能力の詳細を記述している。3つのカテゴリーとは以下である:

  1. ディシプリンド・アジャイル・デリバリー  このカテゴリーは4つのデリバリーライフサイクル – 継続的デリバリー、探索的/リーンスタートアップ、リーン/カンバン、アジャイル/スクラム- をサポートする。
  2. ディシプリンドDevOps  このカテゴリーは、ディシプリンド・アジャイル・デリバリーに5つのプロセスブレード – 非アジャイル/リーンライフサイクル、リリース管理、運用、サポート、そしてデータ管理- を追加して拡張したものである。
  3. ディシプリンド・アジャイルIT  このカテゴリーは、ディシプリンドDevOpsに次のプロセスブレードを追加して拡張したもの:ピープルマネージメント、プロダクト管理、ポートフォリオ管理、エンタープライズアーキテクチャ、再利用エンジニアリング、ITガバナンス、継続的改善。

Disciplined Agile IT

 以下の表は、各プロセスブレードの説明とより詳細な情報へのリンクをまとめたものだ。注:現在すべてのプロセスブレードの記述をリリースにむけ作業中である。

表1 ディシプリンド・アジャイルITをサポートするプロセスブレード
プロセスブレード 説明 詳細へ
アジャイル/スクラム アジャイルやスクラムで作業するチームのための、エンド・トゥ・エンドのソリューションデリバリーライフサイクル。アジャイルが初めて、あるいは規則的な作業ケーデンスが自分達には効果がある(訳注:DADではフェーズやセレモニーで”節目”を作ることを指している。)と判断しているプロジェクトが、このライフサイクルを選択するだろう。 アジャイル/基本デリバリーライフサイクル
継続的デリバリー 継続的デリバリーを実践するチームのための、エンド・トゥ・エンドのソリューションデリバリーライフサイクル。DevOps環境で開発するプロダクトチームは、この戦略を採用することが多い。 継続的デリバリーライフサイクル
継続的改善 これが取りあつかうのは、複数のチーム横断で、有効な改善点を共有し、チームをサポートし、継続的な改善におけるガバナンスを効かせる戦略だ。 Continuous Improvement Process Blade
データ管理 データの品質をどのように改善するか、マスターデータやテストデータといったアセットをどう進化させるか、組織の中でこれらのデータにかかわる諸処の活動に対して、どうガバナンスを効かせるか、その戦略について扱う。 Data Management process blade
エンタープライズアーキテクチャ 利害関係者やデリバリーチームへのサポート、エンタープライズアーキテクチャの理解、エンタープライズアーキテクチャの諸処の活動に対して、どうガバナンスを効かせるかについての戦略を論じる。 Enterprise Architecture Process Blade
探索的/リーンスタートアップ 探索的、あるいは”リーンスタートアップ”のスタイルで作業しているチームのための、エンド・トゥ・エンドのソリューションデリバリーライフサイクル。急速なイノベーションが求められるチームが、このライフサイクルを選択することが多い。 探索的/リーンスタートアップライフサイクル
ITガバナンス 様々なガバナンスの視点を整理統合する戦略について論じる。カバーされる活動は、メトリクスを定義し、計測を行い、測定値に基づいてモニタリングし結果をレポートし、ガイドを作成する。役割と責務を定義する。組織内で知識を共有する。ITリスクを管理する。様々なガバナンスのための労力を調整するといったものが対象だ。 The IT Governance Process Blade
リーン/カンバン リーンあるいはカンバンベースのやり方で作業しているチームのための、エンド・トゥ・エンドのソリューションデリバリーライフサイクル。多くの小さくて比較的独立した要求(変更要求か不具合かもしれない)を抱えたチームか、既存のソリューションに対して作業しているチームがこのライフサイクルを採用することが多い。 リーン/アドバンスドライフサイクル
運用 システムの実行方法や、ITインフラストラクチャーの進化のさせ方、組織のエコシステム内での変更の管理や災害対策、ITオペレーションのガバナンスについて取り扱う。 Coming Soon
その他 統一プロセスや、伝統的/ウォーターフォール、その他の様々なアプローチをソフトウェアベースのソリューションとして組み上げられるようカプセル化する。それらはディシプリンド・アジャイル・デリバリーフレームワークのスコープ外にある。 Coming Soon
ピープルマネージメント チーム編成、キャリアパスのサポート、トレーニング/コーチング/教育、IT部門の人的資源の計画策定、組織内の異動、報酬の構造と人の管理にかかわる諸処の活動に対する戦略を扱う。 People Management Process Blade
ポートフォリオ管理 プロダクト/プロジェクトの識別とそれらの優先順位付け、チームの立ち上げ、ベンダー管理、ポートフォリオのガバナンス戦略について取り扱う。 Portfolio Management Process Blade
プロダクト管理 プロダクトの管理戦略を取り扱う。フィーチャーをプロダクトに割り当てる、プロダクトのビジネス視点のビジョンを進化させる、機能的な依存関係を管理する、プロダクトラインを市場に訴求するといった題材を扱う。 Product Management Process Blade
プログラム管理 大規模なプロダクト/プロジェクトチームの管理戦略を扱う。要求を複数のサブチームに割り当てる、サブチーム間の依存関係の管理、サブチームの編成、そしてプログラムのガバナンスについて扱う。 Program Management Process Blade
リリース管理 ITリリーススケジュールの計画策定戦略について扱う。ソリューションのリリースの調整、リリースインフラストラクチャの管理、デリバリーチームのサポート、一連のリリース管理活動のガバナンスを扱う。 Release Management Process Blade
再利用エンジニアリング どうやって再使用可能なアセットを発見し手にするか、アセットを公開して再使用可能な状態にするか、アセットを再利用しているデリバリーチームのサポート、アセットの進化、再利用にかかわる一連の活動にどうガバナンスを効かせるかを論じる。 Reuse Engineering Process Blade
サポート サポートの全体戦略を決定する戦略を扱う。インシデント処理の促進、インシデントへの対応サポート関連の活動に、どうガバナンスを効かせるかを扱う。 Coming Soon

 

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